ニューコードNLPスクール日本語研究部《古今そぞろ歩き》

ニューコードNLPマスタープラクティショナー野瀬美佐が1日1テーマ、古今の和歌や俳句をめぐる日本語や日本人への気づきをスケッチします。美しい日本語の響きを楽しんでいただければ幸いです。

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八重桜
 二階の窓を開けると、頬に生暖かい空気。

一階にいたときは気付かなかった白梅の花が何輪か、ベランダの壁越しに見えます。

その楚々とした姿に、思わず口元がほころびます。

花を見るたびに自分の口元や胸元が緩むような感覚に和みます。ふと、「咲」を「えみ」と読ませる女優さんの顔が浮かびました。古事記だったでしょうか、「八百万神共に咲(わら)ひき」とあり、古は「咲」も同じ「わらう」ことをあらわす言葉であったことに、思い及んでうなずきます。

そういえば、その頃は「目」と「芽」「歯」と「葉」、「鼻」と「花」おまけに「身」と「実」、

人の体の部位にまで対比があり、自分たちをあたかも草木、花木のように感じていたらしい古代の日本人が偲ばれます。

 

思いはさらに広がります。

「さいわい(幸)」という言葉は「さきはひ」というのがもともとの言葉だそうです。

「はひ」は「ワイ」と読み「延ひ」と書き「~し続けて」の意味、「さき」は「咲き」。つまり「(花が)咲き続ける」というのが「さいわい」のもともとの意味なのです。「幸い」とは、「花が咲き続ける」こと、とは日本人の幸福感の、なんと具体的で五感的なことでしょうか。

われに返ればパソコンの前、言葉のあれこれに気を取られていた耳に雨音、それに混って小鳥たちの歌声。小鳥たちの何と近しく感じられることでしょう。われもなく聞きほれていると、隣の部屋から家人がひと声、

「洗濯物!」

駆け上がる足音に小鳥たちの鳴き声がひときわ高く響き、言葉の白昼夢がはたと途絶えたのでした。

 

林檎2

林檎を煮ましょう。

 

手に取れば掌に収まるほどの、皮はつやつやで、触ると少しべとつく小ぶりの実。

 

紅色の皮を剝くと、

甘酸っぱい香りに惹かれて、鳥の子色の肌が顔を出します。

 

それを煮る。
小さく切った林檎の実が、小鍋のなかでことことと音を立てます。
すると、二階から降りてきた家人がドアを開けて・・・

「いい匂い!」

 

「匂い」。
現代の私たちには鼻で嗅ぐ香りのことですが、古代の人々はどうやらそうではなかったようです。

万葉集にこんな歌があります。

 

紫草の にほへる妹を 憎くあらば 人妻ゆえに 我恋ひめやも

 

紫草とは「紫に染める染料」のこと、「紫草のにほへる妹を」は「紫草のように色美しく映えているあなたを」の意味だといいます。「匂い(匂ふ)」の原意は「視覚的な美しさ」だったようです。それが時を経て嗅覚をあらわす言葉として使われる方が多くなったようです。

 

調べてみると、「匂い」だけでなく「香り」という言葉も、今から1500年ほど前の時代には「顔、特に目元などがつややかで美しい」という視覚的な美しさの意味でも用いられていたそうです。「色美しく映えている美しさ」も「匂い立つ香り」も、どちらも人の内から外へ滲み出るような、そんな有様を表現したものだったのかもしれません。

 

視覚や嗅覚に頼るより、もっと内側から放たれる「色香」を「匂い」や「香り」などの言葉で表現していた日本人の感覚は、いわば五感の分化していない、共感覚的とでもいえるあり方をしているように思われます。

 

そういえば、「香道」では「香りを聞く」といいますね。本来「嗅ぐ」べき香りを耳で「聞く」感覚は、日本人の共感覚的特性を表す格好の例です。

甘酸っぱい林檎の香りに誘われて、感覚的な言葉が育む世界にしばし時を過ごしました。

何気なく辺りに漂う「匂い」に五感を傾ける愉しみを改めて感じています。

 

水引

秋に結婚した息子夫婦がお正月に我が家へ来た。
手土産の「お年賀」はのしを纏(まと)ったカステラ、二人連れ立っての新年のあいさつが如何にも他人行儀で、なるほど、別の所帯を持ったのだな、と、思わず笑みがもれる。

さて、新年のあいさつと言えば、実に様々な表現があるもので、「あけましておめでとうございます」から「迎春」「賀正」、さらに四文字で「謹賀新年」「恭賀新年」の方が敬意も深いそうだ。
思えば、「謹」は「謹む(つつし)んで」、「恭(うやうや)しく」とも読むから、なるほど、と納得する。
それもお正月くらいしかお目にかからない表現だから、他所行き感がある。「謹んで初春のお慶びを申し上げます。」の「謹んで」が新年のあいさつの冠になると、にわかに「晴れの日」の空気感が漂って面白い。

改めて、日本語と日本文化の面白さに気づく。「つつしんで」という言葉を声に出して思うのだが、「つつ」が「つつむ」となり、「包む」に連なる。日本では進物を差し上げるときに、包装紙に「包み」さらにのし紙をかける。
どうやらここに日本独特の「包む」文化があるようだ。

なるほど、幾重にも包んで敬意を表すところから、「謹んで」や「恭しく」などの言葉も、この「のし紙」のような役目を果たしているのに違いない、とふと思った。

一年のうちこの時だけお目見えするものの多い新年が、坦々と過ぎた。さあ、程なく鏡開き!


 音に聞く 高師の浜の あだ波は
  かけじや袖の 濡れもこそすれ
  
   祐子内親王家紀伊(百人一首 72番)



《読み》
 おとにきく たかしのはまの あだなみは 
  かけじやそでの ぬれもこそすれ

   祐子内親王家紀伊(いうしないしんわうけきのきい)


《現代語訳》
高師の浜にいたずらにさわぐ波がうっかり袖にかからないようにしておきましょう。袖が濡れると困りますもの。(浮気者だと評判に高いあなたの言葉など心にかけずにおきましょう。あとで涙にくれて袖を濡らしてはいけませんから)


《メモ》
和歌には、人間の内なる思いを自然描写に託す傾向があります。

この歌では、
「高師の浜」は、「(浮気者と)評判が高いこと」に、
「あだ波」は、真剣ではない誘い」に、
「(波を)かけじや」は、「想いをかけまい」に、
「波で袖が濡れる」は、「(悲しみの)涙で袖が濡れる」に、
それぞれ対応しています。

相手の誘いに乗ることへの、紀伊のためらいのメタファーが、歌全体に盛り込まれています。



蓮


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記事更新日:2020/08/12


みかの原 わきてながるる いづみ川 
 いつみきとてか 恋しかるらむ
  
  中納言兼輔(百人一首27番)



《読み》
みかのはら わきてながるる いづみがわ 
 いつみきとてか こひしかるらむ

  中納言兼輔(ちうなごんかねすけ)


《現代語訳》
みかの原から湧き出て、その原を分けて流れる泉川のように、いったいいつあの人に逢ったといって、このように恋しく思うのであろうか。


《メモ》
この歌が詠まれたころ、女性は部屋の簾の奥にいて、男性は女性の顔を見ることがめったにできませんでした。このため、女性の人柄を手紙のやり取りや周囲の噂などで推し量り、恋心を募らせていたのです。

「恋」は「乞ひ」「請ひ」に通じ、相手を引き寄せたい、会いたい、一緒にいたい気持ちを表しています。めったに会えないからこそ、「恋」の心を一層燃え上がらせたのかもしれませんね。

そして、泉から湧き出る水やみかの原を流れる川が、いつのまにか動きはじめた兼輔の恋心のメタファーになっています。

水


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記事更新日:2020/08/11


筑波嶺の 峰よりおつる みなの川 
 こひぞ つもりて 淵となりぬる
  
  陽成院(百人一首 13番)



《読み》
つくばねの みねよりおつる みなのがは 
 こひぞつもりて ふちとなりぬる

  陽成院(やうぜいゐん)


《現代語訳》
筑波のいただきから流れ落ちてくる水が男女川(みなのがわ)になります。最初は細々とした流れから次第に水かさを増して深い淵となるように、我が思いもつもり積もって、淵のように深い恋となってしまったよ。


《メモ》
陽成院が抱く個人的な心情を超えた、普遍的な恋を詠んだようにも感じられます。それは、歌枕「つくばね」や「みな(「皆」と同音)の川」といった要素から推し量ることができます。

「恋とは元来、こういうものなんだ」というような、あるいは、高いところから人類の営みを眺めているような、抽象度の高い視点を感じる歌です。

川


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記事更新日:2020/08/10


筑波嶺の 峰よりおつる みなの川 
 こひぞ つもりて 淵となりぬる
  
  陽成院(百人一首 13番)



《読み》
つくばねの みねよりおつる みなのがは 
 こひぞつもりて ふちとなりぬる

  陽成院(やうぜいゐん)


《現代語訳》
筑波のいただきから流れ落ちてくる水が男女川(みなのがわ)になります。最初は細々とした流れから次第に水かさを増して深い淵となるように、我が思いもつもり積もって、淵のように深い恋となってしまったよ。


《メモ》
「淵」とは川の流水が穏やかで深みのある場所で、川の深みや淀みという表現もあります。その対語は水深が浅い急流部を表す「瀬」です。

険しい山あいを流れていた川が時間の経過とともにだんだんと流れがゆっくりになる。そうした変化が描かれています。

淵は、のぞき込んでも底が見えないほど淀んでいます。ここでは、瀬のように軽やかだった恋の気分が、淵のごとく重たくなってきたというメタファーになっているように思います。

森


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記事更新日:2020/08/09


 音に聞く 高師の浜の あだ波は
  かけじや袖の 濡れもこそすれ
  
   祐子内親王家紀伊(百人一首 72番)



《読み》
 おとにきく たかしのはまの あだなみは 
  かけじやそでの ぬれもこそすれ

   祐子内親王家紀伊(いうしないしんわうけきのきい)


《現代語訳》
高師の浜にいたずらにさわぐ波がうっかり袖にかからないようにしておきましょう。袖が濡れると困りますもの。(浮気者だと評判に高いあなたの言葉など心にかけずにおきましょう。あとで涙にくれて袖を濡らしてはいけませんから)


《メモ》
「音に聞く」というのは評判に聞くとか噂に名高いという意味です。そしてこの言葉が「高師の浜」にかかるのか「高師の浜のあだ波」にかかるのか曖昧になっています。

男女の恋愛にまつわる、お互いにいろいろな想いが入り混じった心境を、ストレートに表現せず、こうして自然界の現象にたとえているさまは、とても抽象度の高いコミュニケーションの形だといえます。

波


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記事更新日:2020/08/08


みかの原 わきてながるる いづみ川 
 いつみきとてか 恋しかるらむ
  
  中納言兼輔(百人一首27番)



《読み》
みかのはら わきてながるる いづみがわ 
 いつみきとてか こひしかるらむ

  中納言兼輔(ちうなごんかねすけ)


《現代語訳》
みかの原から湧き出て、その原を分けて流れる泉川のように、いったいいつあの人に逢ったといって、このように恋しく思うのであろうか。


《メモ》
わきてながるるの「わきて」は、「湧きて」と「分けて」の二つの意味を表します。このことから、泉から川の水が湧き出ているようす、そして湧き出た川がみかの原を分けて流れるようすがイメージできます。

そして、泉から湧き出る水やみかの原を流れる川が、いつのまにか動きはじめた兼輔の恋心のメタファーになっています。

川


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記事更新日:2020/08/07

しのぶれど 色に出にけり わが恋は 
 物や思ふと 人のとふまで
  
  平兼盛(百人一首 40番)



《読み》
しのぶれど いろにいでにけり わがこひは
 ものやおもふと ひとのとふまで

  平兼盛(たひらのかねもり)


《現代語訳》
わたしの恋。他の人には秘めているのだけれど、顔色や素振りに出てしまったよ。物思いをしているのかと人が問うまで。


《メモ》
「色に出る」は、今の会話でいうと「顔に出る」という表現と同じような意味ですが、どんな表情なのか、漠然としていてあいまいですね。

「物や思ふ」もです。これはどんな物思いなんでしょう?

「わたしの恋」も、誰への恋?

曖昧な言葉は読み手の想像をふくらませます。読み手は曖昧な部分について、無意識に自分の中にある経験から情報を五感ベースで引き出して、『きっとこういうことなんだな…』と補います。ですから、曖昧な言葉ほど自分の内側と無意識と交流することになります。


風景


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記事更新日:2020/08/06


 音に聞く 高師の浜の あだ波は
  かけじや袖の 濡れもこそすれ
  
   祐子内親王家紀伊(百人一首 72番)



《読み》
 おとにきく たかしのはまの あだなみは 
  かけじやそでの ぬれもこそすれ

   祐子内親王家紀伊(いうしないしんわうけきのきい)


《現代語訳》
高師の浜にいたずらにさわぐ波がうっかり袖にかからないようにしておきましょう。袖が濡れると困りますもの。(浮気者だと評判に高いあなたの言葉など心にかけずにおきましょう。あとで涙にくれて袖を濡らしてはいけませんから。)



《メモ》
この歌を詠んだ時、紀伊は70歳でした。詠んだ場所は堀川院艶書合という歌会で、この歌は、当時29歳の藤原俊忠から贈られた歌に対する紀伊の返歌です。紀伊と51歳も離れています。

彼の歌をご紹介しましょう。


 人知れぬ 思いありその 浦風に
  波のよるこそ 言はまほしけれ


「私は人知れずあなたを思っています。荒磯の浦風に波が寄せるように、夜にあなたと話したいのですが。」

藤原俊忠が贈った歌に見事な返歌が披露され、歌会はさぞ沸いたのではないでしょうか。老若男女が即興で歌を交わした歌合せ。

自分の内なる想いを自然界の事象にたとえることで、想いがより豊かな形で相手に伝わったことでしょう。

月夜


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記事更新日:2020/08/05


筑波嶺の 峰よりおつる みなの川 
 こひぞ つもりて 淵となりぬる
  
  陽成院(百人一首 13番)



《読み》
つくばねの みねよりおつる みなのがは 
 こひぞつもりて ふちとなりぬる

  陽成院(やうぜいゐん)


《現代語訳》
筑波のいただきから流れ落ちてくる水が男女川(みなのがわ)になります。最初は細々とした流れから次第に水かさを増して深い淵となるように、我が思いもつもり積もって、淵のように深い恋となってしまったよ。


《メモ》
筑波は常陸国(現在の茨城県)の筑波山のことです。筑波嶺(つくばね)は、歌垣(うたがき。古代、春と秋に男女が集まり、お互いに歌を歌いながら求愛や求婚をした行事)の場所として有名です。

このように、筑波嶺(つくばね)をはじめとする歌枕にはそれぞれ、一定のイメージが蓄積されているので、歌に置くだけで多くの意味を含めることができます。

歌が詠まれたころの都は、今の京都です。京都から見て東国にある「つくばね」は、田舎で野蛮で、無粋なイメージがあったことでしょう。そんな「つくばね」を恋の舞台に据えることで、陽成院の素朴で粗野な恋の形も表現されています。

ひとつの言葉にたくさんの情報が含まれている日本語の感性の豊かさをあらためて感じずにはいられません。

イメージ



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記事更新日:2020/08/03


恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 
 人知れずこそ 思いそめしか
  
  壬生忠見(百人一首 41番)



《読み》
こひすてふ わがなはまだき たちにけり
 ひとしれずこそ おもひそめしか

  壬生忠見(みぶのただみ)


《現代語訳》
恋しているという私の噂がもう立ってしまった。誰にも知られないように、心ひそかに思いはじめたばかりなのに。


《メモ》
「思いそめ(思い初め)」の「そめ」は、「染め」に通じます。

「初め」と「染め」はいずれも、だんだんとそのようになっていくことを示します。

短い音で豊かな内容を表現できる日本語の特性が、和歌や俳句といった短い詩の芸術を育んだのかもしれません。

色


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記事更新日:2020/08/03


恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 
 人知れずこそ 思いそめしか
  
  壬生忠見(百人一首 41番)



《読み》
こひすてふ わがなはまだき たちにけり
 ひとしれずこそ おもひそめしか

  壬生忠見(みぶのただみ)


《現代語訳》
恋しているという私の噂がもう立ってしまった。誰にも知られないように、心ひそかに思いはじめたばかりなのに。


《メモ》
「恋」のつづりは「こひ」、読み方は「こい」です。同じつづりと読み方をする語句には「乞ひ」「請ひ」などがあります。

「こひ」に共通しているのは、離れたものを近くに引き寄せる動きです。「こい」という読み方、つまり音の響きで、具体的な動きを表しています。このような傾向は日本語によく見られます。

そういえば、現代語の「来い」も同じ読み方、音ですし、同じ動きを表現していますね。

植物


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記事更新日:2020/08/02


春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 
 衣ほすてふ 天の香具山
  
  持統天皇(百人一首 2番)



《読み》
はるすぎて なつきにけらし しろたへの 
 ころもほすてふ あまのかぐやま

  持統天皇(ぢとうてんのう)


《現代語訳》
いつの間にか春も過ぎて、もう夏が来てしまったようです。采女(天皇や皇后付きの女官)たちが夏衣をさらして干す天の香具山にも、真っ白な衣が、あのように干してあるよ。


《メモ》
この歌は、自分の目の前にある風景を、ストレートに言い表しています。

「白妙の」は「衣」にかかる枕詞で、「妙」は言うに言われぬほど優れていることを意味します。「白妙の衣」から受ける印象は、真っ白くて美しい衣のイメージです。また、夏山の深い緑と衣の白との対比が鮮やかで、明るい夏の雰囲気が伝わってきます。

百人一首の中でも表現している映像がひときわ鮮明で、視覚を刺激される歌です。


布


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記事更新日:2020/08/01

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